
【軽貨物】軽貨物ドライバーの月間経費を徹底公開!売上・手取りと確定申告の勘定科目
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公開日 2023/11/15 ・ 更新日 2026/08/18 ・ 執筆 濱田 崇裕
軽貨物ドライバーとして独立するとき、「月々の経費はいくらかかり、手取りはどのくらい残るのか」は最初にはっきりさせたい不安です。
結論から言うと、週休二日(月22日稼働)を前提とした軽貨物運送の月間費用は、最低でも10万円前後、条件によっては18万円ほどかかります。この記事では、東京都で稼働する個人事業主ドライバーの実例(月18.1万円・売上約44万円/2023年時点の一例)をもとに、ガソリン・車両・駐車場・保険・国民健康保険・ロイヤリティといった費用の内訳と、確定申告で使う勘定科目までまとめます。金額はエリアや稼働状況で変わるため、あくまで自分のケースに当てはめて確認してください。
軽貨物運送に掛かる月間費用
軽貨物運送に掛かる月間費用は、月間22日稼働(週休二日)を前提とした場合、最低100,000円前後は必要です。
以下は、実際に就業している軽貨物運送ドライバーの月間費用の内訳で、合計は181,000円でした(東京都品川区・2023年時点の一例)。このドライバーの売上は約440,000円で、1日あたり約20,000円の売上です(表の「-」は確定申告の際に経費として処理できません)。
個人事業主ドライバー月間経費@東京都品川区(2023年時点の一例)
| 項目名 | 勘定科目 | 月間費用 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ガソリン | 燃料費or車両費 | ¥40,000 | 走行100km/日で仮定 |
| 車両 | リース料 | ¥30,000 | 請負元よりレンタル |
| 駐車場 | 地代家賃 | ¥35,000 | - |
| 事務用品・資材等 | 消耗品費 | ¥2,000 | - |
| 任意保険 | 保険料 | ¥15,000 | 最低等級で仮定 |
| 貨物保険 | 保険料 | ¥5,000 | 最低賠償で仮定 |
| 国民健康保険 | - | ¥10,000 | ※必ず詳細を参照 |
| ロイヤリティ | - | ¥44,000 | ※必ず詳細を参照 |
なお、開業時にかかる初期費用(月間の経費とは別)については、軽貨物ドライバーの開業費用の解説にまとめています。
それでは、各項目を順に解説します。
各経費詳細①:ガソリン
シンプルにガソリン代のことです。確定申告では、勘定科目は「燃料費」か「車両費」で処理するのがよいでしょう。
ガソリン代は主に走行距離と車両の燃費性能で変動しますが、概ね1km走ると燃料費は15〜20円前後かかります。上の表では2,200km走行・燃料費40,000円なので、1kmあたり18.2円の計算です。
1. 走行距離
ガソリン代は走行距離が伸びるほどかかります。首都圏の宅配ドライバーは一日あたり80〜100km前後走るため、走行距離を100km/日と仮定しています。週休二日で月22日稼働した場合、月間走行距離は2,200kmです。地方だと走行距離がさらに伸びる傾向があるので、自分のケースに当てはめて確認してください。
2. 車両の燃費性能
車両の古さや燃費性能によって燃料費に差が出ます。燃費の良い車両だと、月間のガソリン代が5,000円〜1万円程度下がることもあります。
各経費詳細②:車両
配送に使う軽バンの費用です。上の表の事例では請負元の配送企業からレンタルしているため、勘定科目は「リース料」です(月30,000円)。
軽バンの費用は、購入するかレンタル・リースするかで大きく分かれます。
- 購入する場合:中古車か新車かで経費処理方法や金額が変わります。勘定科目は「車両運搬具」で処理します。車両は「資産」として扱うため、確定申告の計算はやや複雑です。
- レンタル・リースする場合:請負元の条件で費用が決まります。概ね月額30,000〜40,000円が主流ですが、メンテナンス費の負担など契約条件の確認を怠ると想定外の出費になります。勘定科目は「リース料」で処理します。
トータルのコストを抑えるなら車両は購入した方が有利で、費用面では中古車がおすすめです。リースと購入の比較や、車両選びの考え方は軽貨物のカーリース徹底解説も参考にしてください。
各経費詳細③:駐車場
配送車両を停める月極駐車場の費用です。確定申告では「地代家賃」の勘定科目で処理します。「タイムズ」などの時間貸し駐車場や時間制限駐車区間(白枠)で停めた費用は「旅費交通費」で処理できます。
駐車場代は、車両サイズ(全長・全幅・全高)と立地で決まります。首都圏、とくに主要駅付近ほど高額で、上の事例では月35,000円でした。軽バンはハイルーフ(高さ2m以下の駐車場に停められない)のため、都心では割高になりがちです。首都圏では初期費用もかかります。安く借りる方法は月極駐車場を最安で借りる方法にまとめています。
各経費詳細④:事務用品・資材等
配送に使う筆記用具や梱包資材などの備品費です。金額は大きくないので、それほど気にしなくて構いません。
- 日用品(マスク、筆記用具、消臭剤、アルコール消毒用ウェットティッシュなど)
- 梱包資材(梱包用セロテープ、荷物が濡れるのを防ぐポリ袋など)
確定申告では「消耗品費」で処理します。運送業の必需品である「台車」も「消耗品費」で処理してください。ただし、1台あたり10万円を超えるような高額な台車は資産に近くなるため、「備品費」など減価償却を前提とする勘定科目で処理します。
各経費詳細⑤:任意保険
全車両に必須の自賠責保険とは別に、任意で掛ける自動車保険(任意保険・損害保険)の費用です。軽貨物運送ドライバーは概ね以下の内容で加入します。
- 対人賠償責任保険:無制限
- 対物賠償責任保険:無制限
- 人身傷害保険:3,000万円
確定申告では「保険料(車両費でも可)」で処理します。年払いが基本ですが月々の分割にも対応しており、分割で経費処理しても問題ありません。ただし年度をまたぐ処理はやや面倒なため、一括の金額での処理を推奨します。
任意保険代は「等級」と「事故歴・利用歴」で変動し、月額12,000〜15,000円あたりに収まる個人事業主がほとんどです。
- 等級:保険料の割増引率を決める区分です。事故や保険利用歴が無く、加入年数が長いほど保険料が下がります。初めて加入する場合は6等級スタートで月額13,000円程度、最大割引の20等級だと6等級の半額以下になります。
- 事故歴・任意保険利用歴:「事故有係数」で事故のリスクが数値化され、割増率が決まります。ただし、保険金額は上がるが等級は下がらない事故や、保険会社が事故として扱わない(保険料が上がらない)ケースもあります。
軽貨物の保険全般(自賠責・任意・貨物保険の選び方)は軽貨物ドライバーの保険ガイドで詳しくまとめています。
各経費詳細⑥:貨物保険(運送賠償責任保険)
荷物に不慮の損害が起きた際に弁償・補填するための保険が「運送業者貨物賠償責任保険(通称:貨物保険)」です。個人事業主は加入必須ではありませんが、加入していないと案件の請負が難しい傾向が強まっているため、月間費用として記載します。
確定申告では「保険料(車両費でも可)」で処理します。任意保険と同様、一括での処理を推奨します。
貨物保険は約款や賠償金額の設定で変動し、月々2,000〜5,000円に収まる個人事業主がほとんどです。大手配送企業の宅配案件では賠償金額300万円程度で十分なことが多く、年間5万円程度(月々5,000円程度)が目安です。
なお、請負元が貨物保険に加入していて、その保険が適用される場合は、個人事業主が別途加入する必要はありません。これから軽貨物ドライバーになる場合は、所属予定の配送企業に貨物保険の要否を必ず確認してください(例として、軽貨物マッチングのPickGoは貨物保険をPickGo側で加入しているため、ドライバーの加入が不要とされています)。
各経費詳細⑦:国民健康保険
個人事業主は会社員のような社会保険を使えないため、国民健康保険に加入します。雇用主との折半がなく、全額を自分で負担します。
国民健康保険は経費として申請できません。ただし、確定申告時に社会保険料控除として所得から差し引ける制度があり、納める税金を減らせます(国税庁 No.1130 社会保険料控除)。
保険料は主に事業所得(売上から経費を引いた額)・お住まい・年齢で決まります。最も影響するのは事業所得です。例えば東京住まいの30代で年間売上600万円・年間経費100万円(事業所得500万円)の場合、国民健康保険料は月額3万円前後になります(2023年時点の試算の一例)。保険料率や上限額は自治体ごとに条例で定められ差が大きいため、正確な金額は必ずお住まいの市区町村で確認してください。保険料を下げるには事業所得を下げる(=適切に領収証を残して経費計上する)のが基本です。なお、フリーランス向けの組合の制度を利用して保険料を下げられる場合もあります。
各経費詳細⑧:ロイヤリティ
配送案件を配送企業から請け負う際、「案件を紹介した」名目の仲介手数料を取るのが運送業界の慣行です。これを「ロイヤリティ」と呼び、本来の請負金額から一定率を差し引いた額がドライバーに入金されます。
ロイヤリティは本来の売上から差し引かれるもので、経費処理はできません。ロイヤリティを引かれた後の金額を売上と定義した方が、会計処理はずっと楽になります。
ロイヤリティの利率は概ね10%程度が通例です。下請法により、資本金の大きい会社が業務を再委託する際に請負側が買い叩かれないよう、利率を高くしすぎない仕組みがあります。本事例のドライバーはロイヤリティ抜きの月間売上が44万円のため、ロイヤリティは44万円×10%=44,000円です。多くは業務委託料から天引きされます。
これから軽貨物ドライバーになる方にとって、ロイヤリティは契約時にもっとも注意して確認すべき項目の一つです。案件の取り方や請負条件の見極めは軽貨物ドライバーの案件獲得のコツも参考にしてください。
まとめ
軽貨物運送の月間費用は、週休二日・月22日稼働で最低10万円前後、東京都の実例では18.1万円でした(2023年時点の一例)。ガソリン・車両・駐車場・保険・国保・ロイヤリティのそれぞれで、金額はエリアや契約条件で大きく変わります。まずは自分の稼働エリアと車両でこの内訳を当てはめ、確定申告では各項目の勘定科目を押さえておきましょう。
これから始める方は、軽貨物ドライバーの開業費用や実際の軽貨物ドライバーの求人一覧もあわせて確認しておくと、収支の見通しを立てやすくなります。
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